矢野祐太郎のソースを表示

'''矢野 祐太郎'''（やの ゆうたろう、[[1881年]] - [[1938年]]）は、日本の軍人、宗教活動家。[[神政龍神会]]を創始した。{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}

1881年、[[日本鉄道]]に技師として勤めていた、矢野源次郎の長男として生まれる{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}。

[[海軍兵学校]]卒業後、1900年に海軍に入隊{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}。

一時期、英国大使館附海軍武官として、軍需産業に関するスパイ活動をしていたことがあった{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}。

1917年、海軍兵学校時代の恩師・[[浅野正恭]]から[[大本]]の存在を教えられ、京都府の[[綾部町]]にある本部を訪問{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}。

大本に入信し、[[出口王仁三郎]]に軍機を漏洩したとして懲罰を受けた{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}。

1923年、予備役編入を申し出て、海軍を辞職{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}。

その後、中国大陸へ渡り、[[奉天]]で武器商を始めた{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}。

このとき、[[不敬罪]]で有罪判決を受け、控訴中だった出口王仁三郎を[[モンゴル]]に脱出させて満蒙独立運動に携わった{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}。

しかし運動は失敗し、大本の主流から孤立。[[兵庫県]][[川辺郡]]中谷村字肝川（[[猪名川町]]肝川）にあった肝川支部を訪れたが、非主流派との連携もうまくいかなかった。{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}

1929年に矢野の妻・シンが神がかり、神示を下すようになる{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}。

1930年に[[天津教]]の外郭団体・'''神宝奉賛会'''を立ち上げて自ら会長となるが、うまくいかずに同会を脱会{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}。

1934年11月14日に、肝川の「八代竜神」にまつわる伝説と土俗信仰を土台にして、大本教と天津教の教義を附会して神政龍神会を組織{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}。

[[伊勢神宮]]の鏡は偽物で本物は天津教の皇祖皇太神宮にあり、[[熱田神宮]]の剣も皇位継承の象徴ではないと主張した{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}。

[[昭和天皇]]自身が「世界統理、神政復古」を担う使命責任を自覚することが「根本であり、全問題の要」であると考え、天皇に拝謁して自分の考えを伝えようとしたが、1936年3月に[[不敬罪]]で逮捕され、裁判中の1938年に拘置所で病死した{{Sfn|原|2009|pp=186-187}}。
*獄中で太古史を書かされ、書き終わった翌日に獄中で怪死したことが当時喧伝された。茨城県磯原町の「磯原館」の主人で矢野の熱心な同志だった吉田兼吉が、矢野の獄中怪死事件の顛末をパンフレットにして同志に配布していた。{{Sfn|三村|1953|p=211}}

矢野の三男・矢野凱也へのインタビュー記録によると、矢野は[[明治天皇]]までの天皇を崇拝していたといい{{Sfn|原|2009|pp=186-189}}、{{Harvtxt|原|2009|p=188}}は、矢野は、当時の皇室のあり方が誤っているという信念を持っていたと推測している。

==評価==
{{Harvtxt|三村|1953|p=211}}は、[[竹内文書]]の研究家として（また親猶主義者として）特異の存在だった、と評している。

==付録==
=== 脚注 ===
{{Reflist|18em}}
=== 参考文献 ===
*{{Aya|原|year=2009}} 原武史『松本清張の「遺言」 - 『神々の乱心』を読み解く』〈文春新書〉文藝春秋、2009年、ISBN 978-4166607037
*{{Aya|三村|year=1953}} 三村三郎『ユダヤ問題と裏返して見た日本歴史』八幡書店、1986年
**初出：日猶関係研究会、1953年
**新装版：八幡書店、2000年、ISBN 4893500163

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[[Category:1881年生]]
[[Category:1938年没]]